インプラント治療の
よくあるご質問
FAQ
患者さまからよくお問い合わせのあるご質問をまとめました。そのほかのご質問はお電話、お問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
インプラント治療の安全性について教えてください。
インプラントは「第二の天然歯」「最も完成度の高い人工歯」とよばれるように、機能性や安全性には定評があります。
1970年代までは「単結晶サファイア」や「炭化ガラス」とよばれる素材を使ったインプラントによって施術されていましたが、これらは耐用年数が短く、感染症を引き起こすリスクがあるなど多くの問題点を残していました。そうしたデメリットを解消し、安全性を高めたのがチタンです。適切にメンテナンスをしていれば長く使うことができ、生体親和性にも優れた素材です。
また、インプラント治療の技術も進歩を続けており、安全性もより高まっています。歯を失った患者さまへの有効な治療方法として、その地位を確立しています。
インプラント治療にはどのような欠点がありますか?
インプラントは天然歯に近い人工歯として評価されていますが、それでも天然歯とまったく同じというわけにはいきません。
例としては「術後しばらくは発音しにくい」「食べ物が詰まりやすくなることがまれにある」「数日は治療箇所が腫れることがある」といった問題があげられます。ただし、時間の経過とともに慣れてくるものもあります。
機能性以外では、治療にかかる費用が高くなることがあげられるでしょう。また、インプラントと顎骨とが結合するのを待つため、治療期間が4~6ヵ月ほどと長期にわたることも欠点のひとつです。
金属を骨に埋め込むということですが、人体に悪影響はありませんか?
インプラントは多くの場合、チタンとよばれる物質で作られています。チタンは金属ではありますが、腐食や酸化に強いうえ、骨としっかり結合するほどの親和性をもっています。歯科治療以外では義足や義手にも応用されるなど、医療で多岐にわたって活用されています。
手術前後で入院は必要ですか?
ほとんどのケースが局所麻酔による治療なので、その日のうちに帰宅できます。大学病院などでは全身麻酔のもとで手術することもあり、その場合には入院することもあり得ます。
治療期間はどのくらいですか?
インプラントを埋め込む部分の骨の硬さによっても変わりますが、上顎が約6ヵ月、下顎が約4ヵ月かかるとお考えください。症例によっては、3ヵ月ほどで完了するケースもあります。
手術時間はどのくらいですか?
インプラントの埋入本数は、3~4本という方が最も多くなっています。それだけ埋入する場合でも、15分程度で治療が終わります。
治療の準備からスタートし、止血の時間を含んだとしても、10本埋入して1時間半ほどで完了します。
治療を受けるのに年齢制限はありますか?
インプラント治療を受けるのに年齢制限はありません。ただし、インプラントを埋め込む部分の骨の成長が止まって安定しているほうが手術に適しているので、18歳以降が妥当とされています。
高齢者の場合でも、口腔内の環境に問題がなければ治療を受けられます。当院では、91歳の方が治療を受けられたという実績があります。
歯が全部なくても、インプラント治療を受けられますか?
インプラント治療は、1本のみの治療はもちろん、技術的にはすべての歯の治療にも対応できます。
ただし、実際にはすべての歯をインプラントにすると高額になるので、インプラントの間にブリッジを取りつける方法が採用されることもあります。この場合、下顎が5~6本、上顎で6~8本のインプラントを埋入することで、すべての歯をカバーできます。このほか、より予算を抑える治療方法として、最少4本のインプラントですべての歯をカバーするAll-ON-4(オールオン4)もご提供できます。
持病があるのですが、インプラント治療を受けられますか?
持病の症状によっては、インプラント治療を受けられないこともあります。例えば、重度の糖尿病である場合などが該当します。ただし、コントロールできるレベルの症状であれば治療に差し支えないので、ご相談ください。このほか、骨粗しょう症などのように骨に関する持病についても慎重に検討しますが、多くのケースでは治療可能となっています。
インプラント治療では、患者さまの状態を見極めたうえで治療を始めます。場合によっては、かかりつけ医や専門医と相談しながら治療を行なうこともあります。
治療に対して強い恐怖感があります。
治療に不安や恐怖を感じるという方には、リラックスして治療を受けられる静脈内鎮静法がおすすめです。これは、静脈から薬剤を注入することで半分眠ったような状態になり、治療を受けられるというものです。リラックスした状態になるので、治療中に不安や恐怖を感じることはありませんが、意識はあるので医師の呼びかけなどには応じられます。静脈内鎮静法のもとでの手術では、歯科麻酔の専門医が血圧や脈拍、血中酸素などを常にチェックする体制を整えています。
インプラント手術の「1回法」と「2回法」の違いを教えてください。
インプラント治療では、歯肉切開の回数により、「1回法」と「2回法」という治療方法があります。
具体的には、1回法はインプラントとアバットメント(人工歯と接続する支台)が一体化したものを、歯肉を切開して埋め込みます。このとき、アバットメントが歯肉の上に露出している状態となり、そのまま人工歯根と顎骨とが結合するのを待ちます。両者がしっかり結合したら、そのまま人工歯をアバットメントに装着します。ただし、結合する期間にインプラント上部がむき出しになるため、感染症にかかるリスクがあります。
2回法は、インプラントを埋め込み、歯肉を上から被せるようにして縫合します。そして人工歯根と顎骨との結合を待ち、再び歯肉を切開してアバットメントを連結します。型を採って人工歯を作製し、アバットメントに装着します。
この方法では、歯肉の切開が2回必要となるものの、結合を待つ期間に感染症にかかるリスクを抑えられます。
骨移植ではどのような治療が行なわれますか?
インプラントをしっかり固定するためには、骨の量が十分足りている必要があります。骨が足りない場合は、骨量を増やすための手術を行ないます。
これまでは、足りない骨を補うため、移植する骨を患者さまご自身から採取する手術が必要だったこともあり、患者さまにとって大きな負担となっていました。現在では人工骨を使って骨量を増大させる治療が可能となっており、患者さまの負担や治療に必要な時間などが改善されています。
こうした治療方法は、整形外科では10年以上前から行なわれており、安全性に問題がないこともわかっています。
治療がうまくいかないことはありますか?
ごくまれですが、インプラントと顎骨とがうまく結合しないというケースがあります。その場合は、料金をお支払いいただかずに再治療を受けていただけます。
手術中、または手術後に痛みはありますか?
インプラントを顎骨に埋め込むという治療を想像すると、不安になられるのも仕方がないと思います。しかし、手術では局所麻酔をするのはもちろん、麻酔注射の際には表面麻酔薬や電動麻酔注射器を使うことにより、注射そのものの痛みも軽減するよう工夫しています。
手術後の痛みもほとんど現れませんが、まれに痛みが出るケースもあるので、痛み止めの薬を処方しています。また、手術時に感染症にかからないよう、当院では無菌のオペ室で手術にあたっています。
インプラントを埋入した後の生活で、注意点はありますか?
インプラント治療をしたばかりで強い刺激を与えると、結合したインプラントと顎骨に影響することがあります。とくに多数のインプラントを埋入した場合、骨となじんで結合するまでは、なるべく軟らかい食べ物をとるよう心がけてください。
治療直後の食事について、気をつける点はありますか?
すべての歯をインプラントにした場合、手術後2週間は刺激を与えないようにする必要があります。おかゆやスープといった軟らかいものを食べてください。インプラントの本数が少ない場合は、残った天然歯で噛めるようであれば一般的な食事でも大丈夫です。おせんべいのような硬い食べ物は、2週間ほど控えるとよいでしょう。
感染症を防ぐため、食後はうがい薬で口の中をきれいにして清潔に保ってください。
治療後は特別なケアが必要ですか?
基本的に天然歯と同じようにしっかり歯磨きをすることが大切です。ただし、人工歯だからといって磨かずにいると、インプラントの周りの歯周組織が炎症を起こし、歯周病のような症状が現れる「インプラント周囲炎」になり、インプラントが抜け落ちてしまうこともあります。必ず丁寧に磨くようにしてください。
このように、天然歯と同じようにケアをする必要があるので、年に2回は定期メンテナンスを受けてインプラントの状態を確認することをおすすめします。
インプラント治療をしても、MRIやCTを使った検査に問題はありませんか?
インプラントはチタンという金属でできていますが、磁性がありません。MRIやCTによる影響は受けないので、問題なく検査を受けていただけます。
遠方に住んでいますが、治療はできますか?
カウンセリングで詳細にお話を伺って治療計画を立てます。滞りなく治療が進めば5~6回ほどの通院で完了するので、遠方からお越しになる方でも、治療を受けられるのではないかと思います。
治療後も検査やメンテナンスを受ける必要はあるものの、当院で採用しているブローネマルクインプラントは広く普及しており、多くの歯科医院で使われています。そのため、治療後のメンテナンスなどについては近隣の歯科医院で受けることもできますので、お気軽にご相談ください。