インプラント治療とは IMPLANT
なくなってしまった歯を補う治療方法には、入れ歯やブリッジなど、さまざまな種類があります。しかし、従来の治療方法には「強く噛めない」「ほかの歯を固定源にするので負担がかかる」などのデメリットがありました。そうした欠点をクリアするのが、インプラント治療です。
インプラント治療は、インプラント(人工歯根)を顎骨に埋め込むことで、取りつけた人工歯をしっかり固定するという治療方法です。人工歯根を固定源にすることで強く噛めるほか、残っている天然歯を削ったり固定源にしたりする必要がなく、負担をかけません。見た目もほかの歯に調和するなど、天然歯に近い機能性と審美性をもっています。
インプラントと骨とが結合するのを待つのに2~6ヵ月を要しますが、近年は治療方法の研究が進み、患者さまの状態によってはその日のうちに治療できるケースもあります。
遠方からお越しの患者さまの負担が少なくなるよう、当院では5~6回の通院で治療できるプランもご提案しています。また、顎骨の量などが足らずインプラント治療を断られた経験があるという患者さまも、ぜひご相談ください。
従来の治療との違い
入れ歯やブリッジ、インプラント治療にはそれぞれに違いがあります。さまざまな観点から比較し、ご自身に適した治療をご検討ください。
インプラント |
ブリッジ |
入れ歯 |
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保 険 | 自費診療 | 保険診療 | 保険診療 |
メリット | ・インプラントを顎骨に埋め込み天然歯と同じように固定するので、しっかり噛める ・残っている歯を固定源にしたり削ったりする必要がないので、負担がかからない ・天然歯の色合いに調和するので、自然で美しい見た目に仕上がる |
・金具を使い固定するので違和感が少ない ・保険診療で治療できる ・一般的な材質のものであれば、比較的費用が安い |
・ほかの歯科医院でも治療できる ・保険診療で治療できる ・一般的な材質のものであれば、比較的費用が安い |
デメリット | ・インプラントを埋入するための手術が必要になる ・自費診療のため治療費が比較的高い ・患者さまの状態によってはインプラント治療を適用できないことがある ・インプラントと顎骨とが結合するのに2~6ヵ月待つなど、治療期間が長い |
・両隣の歯を固定源とするため、健康な歯を削らなければならない ・歯肉と歯の隙間に食べ物のカスが詰まりやすい |
・入れ歯の金属部分が露出してしまうことがあり、審美性に劣る ・飲食物の冷温を感じづらく、違和感がある ・噛む力が弱くなる |
インプラント |
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保 険 | 自費診療 |
メリット | ・インプラントを顎骨に埋め込み天然歯と同じように固定するので、しっかり噛める ・残っている歯を固定源にしたり削ったりする必要がないので、負担がかからない ・天然歯の色合いに調和するので、自然で美しい見た目に仕上がる |
デメリット | ・インプラントを埋入するための手術が必要になる ・自費診療のため治療費が比較的高い ・患者さまの状態によってはインプラント治療を適用できないことがある ・インプラントと顎骨とが結合するのに2~6ヵ月待つなど、治療期間が長い |
ブリッジ |
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保 険 | 保険診療 |
メリット | ・金具を使い固定するので違和感が少ない ・保険診療で治療できる ・一般的な材質のものであれば、比較的費用が安い |
デメリット | ・両隣の歯を固定源とするため、健康な歯を削らなければならない ・歯肉と歯の隙間に食べ物のカスが詰まりやすい |
入れ歯 |
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保 険 | 保険診療 |
メリット | ・ほかの歯科医院でも治療できる ・保険診療で治療できる ・一般的な材質のものであれば、比較的費用が安い |
デメリット | ・入れ歯の金属部分が露出してしまうことがあり、審美性に劣る ・飲食物の冷温を感じづらく、違和感がある ・噛む力が弱くなる |
インプラントと入れ歯の違い
歯を喪失してしまい、入れ歯をお使いの方は多いのではないでしょうか。当院では、入れ歯を使われている患者さまから、以下のようなお悩みをお聞きすることがあります。
- 入れ歯が外れやすい、または動きやすいのでしっかり噛めない
- 入れ歯が外れることがあるので、人前で話すのをためらってしまう
- 装着しているときの違和感が気になる
- 入れ歯の金属の部分が見えてしまう
- 装着していると口もとにしわが寄って老けて見える
- 発音しにくい
- 飲食物の冷温を感じにくく、食事が楽しめない
インプラント治療は、こうしたデメリットを解消できる方法となります。
人工歯根を顎骨に埋め込むインプラント治療は、入れ歯のように義歯を乗せるのではなく、骨からしっかりと固定できるので、天然歯の構造に近くなります。食事の際は思いきり噛むことができ、見た目も自然に仕上がります。
すべての歯を失った場合 | 数本の歯を失った場合 |
総入れ歯患者さまに合わせて作製した総入れ歯を、歯肉全体に被せます。上顎の場合、口蓋も覆います。 |
部分入れ歯金属のバネなどを使い、残った歯に引っ掛けて固定します。 |
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すべての歯を失った場合 |
総入れ歯患者さまに合わせて作製した総入れ歯を、歯肉全体に被せます。上顎の場合、口蓋も覆います。 |
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数本の歯を失った場合 |
部分入れ歯金属のバネなどを使い、残った歯に引っ掛けて固定します。 |
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オールオン4 All-ON-4
インプラント治療は、歯を失った部分に人工歯根を1本ずつ埋め込むものです。これを歯が抜けてしまったすべての部分に適用しようとすると、手術回数の増加や治療期間の長期化につながり、費用も高額になってしまいます。また、患者さまの精神的、肉体的な負担も大きくなります。
すべての歯が抜けたときの義歯としては、総入れ歯という選択肢もあります。しかし、総入れ歯をお使いの患者さまからは「しっかり噛めない」「うまく発音できない」といったお悩みをお聞きします。
「All-ON-4(オールオン4)」という治療方法は、片顎に4本のインプラントを埋め込み、それを固定源として歯列全体を補う人工歯を装着するものです。手術当日には仮歯を取りつけることができ、食事も可能になります。インプラントを埋め込む本数が少ないので、治療期間や費用などを抑えられます。機能性が高く総入れ歯のデメリットを解消できるほか、見た目も自然なので口もとを気にせずおしゃべりを楽しめます。